子どもの嘘と自分から謝ること
学校での出来事の数日前借りてきた本があまりにタイムリーだったので共有させてもらいたいと思います。
あたし、うそついちゃった ローラ・ランキン作
【簡単なあらすじ】
小さいもの好きのルースが校庭に落ちていた小さいカメラを自分のものにします。
本当の持ち主が現れても、自分がもらったものだと嘘をついてしまうのです。
さぁ、ルースは本当のことが言えるでしょうか。
嘘をついてしまったことを謝れるでしょうか。
お友達は、そんなルースを許すことができるでしょうか。
嘘をついたルース
ルースは盗もうと思っていたわけではないですよね。
落ちていたものが誰のものかを確認することができなかったのは自分の大好きな小さい物だったから。
これが普通の大きさのカメラなら、誰か落としているよ!といえたはずです。
落ちてる!ラッキー!の中には、誰か無くして困ってないかしら!?まで考える余裕はないですよね。
でも、結局本当の持ち主に「ぼくが誕生日にもらったものだ!」と強く言われて、実は校庭で拾ったんだとはいえず・・・
そう、もし言えていたら、落ちていたものがたまたま好きなものだったから使わせてもらっちゃった、ごめんねとすかさず言えていたら、ルースは拾ってくれてありがとうと言ってもらって済んでいました。
「私がお誕生日にもらったんだもん」と言ってしまいます。
つい言ってしまった嘘。
ルースは罪悪感に苛まれるのです。
こどもが嘘を打ち明けること
絵本では罪悪感でいっぱいのルースは元気なく家に帰り、食欲もなく、ご両親から心配されます。
ベッドにいって初めて、自分のしてしまったことを打ち明けるのです。
「なにがダメだったと思う?」と聞くパパ。
ルースは嘘をついたことだというのです。
題名の通りなのですが、つい『あ、拾ったものを自分のものにしたことは大きな問題ではないんだ』と少しびっくりしてしまいました。
落ちているものが誰のものかわからなければ、もらっていいわけではないですよね。
でも問題はそこではないのです。
子育ての参考になる、そして私自身心して子どもと向き合うべきだと改めて思ったところがあります。
ルースのママとパパはルースのしたことを何も責めてはいないのです。
ルースが落ち込んでいる理由と、そうなった原因を自分で話させているのです。
そして、その失敗を取り戻すために正直に話しておいでと背中を押してあげています。
子どもは間違います。
大人でも失敗しますからね。
だからこそ、広い心で受け止めてあげて、そして自分で自分の行いを振り返らせることが子の成長に繋がるのでしょう。
嘘をつかれた子の気持ち
絵本では盗ってしまった側、うそをついてしまった側の立場からの話でしたが、盗られた側、うそをつかれた側の娘に振り返らせるのに丁度良い絵本でした。
娘にはこう話しました。
カメラをなくして、ルースのものになってしまったこと、お友達は悲しかったよね!?
長女もまったく同じではないけれど、似たような立場だったね。
でも、誰か分からない盗った人のことを恨まないあなたは素晴らしいと思う。
この悲しい気持ちになることを、覚えていてね。
あなたが嘘をついたり、人のものを勝手にとったりするようなことがあってはならないのよ。
娘は初め自分の名前が消されたことにかなりのショックを受けていましたが、落ち着いてからは、名前が書いてあったお友達も自分の名前が書いてあってびっくりしたかなと周りを心配する余裕も出てきていました。
された側として、被害者意識を持つのではなく、自分に落ち度はなかったかと振り返ったり、他に悲しい気持ちになる子はいたかなと考えられると素晴らしいですが、低学年にはまだまだ難しいのでしょうね。
今はただ、経験をもとに考える力がついてこれればとケーススタディとして話をしている段階です。
きっといつかの参考になるはずだと信じてやまないのです。