【後編】27歳の女が、子宮頸がん検診・HPVウイルス検査を受けて、考えたこと

取り合えず読んでみ
取り合えず読んでみ

前編では、乳がん疑惑をきっかけに検索魔になったことで、「マザーキラー」こと子宮頚がんについて改めて知る機会を得て、この病に対して対策を取る決意を固めたところまででした。

検診の予約を後押ししたニュース

ママ・お母さん
なかみ

そもそもこんなコロナで大変なご時世に、検診で病院行くのってどうなんだろう……

と自分でも1ミリは思ったのですが、それでも迷わずに予約して病院に行ったのは、このニュースのおかげだと思います。

2028年、オーストラリアから子宮頸がんが消える? HPVワクチン接種と検診で、激減する子宮頸がん(片瀬ケイ) - 個人 - Yahoo!ニュース
HPVワクチン接種率の高いオーストラリアでは、子宮頸がんリスクが激減。今後10年で子宮頸がん征圧も射程距離に。米国では、HPVワクチンの接種対象を45歳の男女まで拡大する。接種率1%以下の日本は?
ニュースのまとめ

オーストラリアでは2028年までには、子宮頸がんがほとんどなくなるだろうという研究結果がある。つまり、オーストラリアは世界で一番最初に、子宮頚がんを克服する国になるかもしれない。

 

・オーストラリアは10代〜20代女子を始め、学齢期の男児に「HPVワクチンの無料接種」を推進したので、子宮頚がんは激減した

 

・子宮頚がんの原因となるウイルス「HPV」はセックスで感染が広がるため、接種対象を男児にも拡大することで、効果的に感染を抑え込むことができる

 

ワクチン接種者が増えることで、集団免疫も得られる。集団免疫とは、大多数が予防接種を受けることで、感染者がでても、接種済みの人だけでなく、ワクチンを接種していない人への感染拡大も抑制される効果のことだ。

コロナウイルス関連のニュースで、耳にしない日はないほど叫ばれている「集団免疫」という言葉が、この子宮頚がんの文脈でも出てきたので、私は驚きました。

子宮頚がんという病気においては、集団免疫を獲得できる手段が確立されているにも関わらず、その手段を日本は利用してこなかったのか!という驚きです。

 

お医者さん
お医者さん

そして、その手段を利用せず、国内では年間1万人の女性が子宮頸がんに罹患し、3千人の女性が命を落としています

そもそも子宮頸がんはなぜ起こるのか

医療従事者ではない私が「子宮頸がんがなぜ起きるか」について書くことは、気が引けますが……私は以下のように、ごくごく単純化して、理解しています。

1.子宮頸がんは「HPV」というウイルスが原因で起こる。

2.「HPV」は、原則としてはセックスを通して感染するウイルス。性交経験のある女性のうち、80%は感染したことがあるくらい、ありふれたもの

3.ほとんどの人は、感染しても免疫の働きで「HPV」を排除できる。しかし、一部の人は感染が消失せずに存続し、それががんに発展してしまう。

先述した「HPVワクチン」は、小学6年生〜高校生までの間に接種することで、セックスを経験したとしても、体の中にウイルスが入ってこないようにする役割を持っています。

 

お医者さん
お医者さん

つまり、人生で初めてセックスを経験する前に、ワクチンを接種しておくことがベターであると考えられています。

ワクチンの接種率が上がれば、セックスをしたとしても、当然ウイルスは感染先を失うことになり、新たに伝染できません。
社会的に集団免疫がついた状態になれば、オーストラリアのように、子宮頸がんを撲滅できる可能性も出てくるでしょう。

私が子宮頸がんの対策を行うことは、単に「自分自身の身体の安全を守る」以上の意味を超えて、「自分のパートナーはもちろん、今後の社会に生きる子どもの命を守ることにもつながる」のかもしれない。

それは、今回の子宮頸がんのワクチンの話だけではなくて、娘の毎月のようにある予防接種(日本脳炎やB型肝炎やジフテリア、BCG、百日咳……とにかく他にもたくさん)についても、同じことであると感じました。

自分自身のためでもあり、それが社会のためにもなっている」という図式だからこそ、赤ちゃんの予防接種だって公費負担で賄われているし、子宮頸がんワクチンも対象者について無償接種することができます。

なので、この記事をお読みの方で、小学6年生から高校1年生までの娘さんがいらっしゃる方は、近くのクリニックで相談して、子宮頸がんワクチンの接種を一度検討してみてほしいです。
検討することなく時期を逃してしまったら、とても勿体無いし、後悔することになるかもしれませんので、ぜひどうか。

じゃあ、ワクチン接種のタイミングを逃した27歳の私は、どうやって対策すればいいのか

前編でお伝えした通り、私は1992年生まれの27歳、既婚で経産婦、子宮頸がんワクチン接種を推奨されてきた年代ではないので、当然ワクチンは打っていません

年1回、会社の健康診断で子宮頸がん検診は行ってきましたが、それ以外は何も対策はしていません。

いうなれば、ワクチンという防護服なしで戦場へ赴き、年1回「ケガしてない?うん、大丈夫だね、ほな、また一年後検診で会おうね」で、再度戦場へ戻っていくような状態でした。せめて防護服は着たい。

 

ママ・お母さん
なかみ

とはいえ、私、年齢もアラサー手前、性交も出産も経験済みな訳だし……そういうことを考えると、そもそもワクチンを打つ価値があるのかな?

調べたところ、ワクチンは自費負担の場合、高額になってしまうことがわかりました。なので、ワクチンを打っても意味がないならば、定期検診をきちんと受診することで対策していこうと考えました。

子宮頚がんワクチンは、3回接種が必要で、私が調べた限りだと、総額5万円ほどの費用がかかる病院が多かったように思います。
また、他先進諸国で一般的な「9価HPVワクチン(より広いウイルスをカバーしているワクチン)」の場合は、10万円ほどかかるようでした。

そのため「検診の時に、そもそも自分がワクチンを打つ価値があるのかどうかも、意見を貰うぞ!」と心に決めて、検診当日を迎えました。

余談ですが、いつもは男性医師/女性医師の指定はせずに予約を取るのですが、今回はあえて「女性医師」を指定して予約を取りました。

ママ・お母さん
なかみ

男性医師の診察に不安があるというわけではなく、同じ女性という当事者でもあり、産婦人科医という専門家が、どう考えているのかを知りたいと思ったんです!

お医者さんと相談し、まずは「HPVテスト」を受けることに

いよいよ検診当日。

娘を病院内の託児室に預け、診察室へ。

 

お医者さん
お医者さん

今日は子宮頚がん検診ですね

ママ
ママ

そうなんです、検診もお願いしたいのですが、ワクチンを打つかどうかも検討しています。

自分の年齢、出産歴も考えると、そもそも打つ価値があるかどうかも悩んでいます

お医者さん
お医者さん

まず、なかみさんの状況であっても、ワクチンを打つ価値はあります。
そして打てるならば、9価ワクチンの方がいいです。単純に、ウイルスを予防できる範囲が、9価の方が幅広いからです。

即答。キッパリ断言されました!

9価ワクチンとは?

HPVのうち、9種類のウイルス感染を予防することができるワクチンのこと

「ガーダシル9」とも呼ばれています。
現時点では、9価ワクチンは国で未承認になっています。そのため、打てる病院も限られているし、完全に自費負担になるので、高額になります。

国内で一般的なのは4価ワクチンで、4種類のウイルスをカバーできます。

ただし、9価ワクチンは国内でも取り扱いしている病院が少なく、この病院で打つことができないとも、残念そうにおっしゃっていました。

ママ
なかみ

ただ、セックスした経験があっても、出産していても、30歳手前であっても……

打つ価値があるっていうのが、ちょっとよく分からないです

ママ
なかみ

すでに私がHPVに感染していたら、あとからワクチンを打っても、そのウイルスを駆逐することはできないんですよね?

だからこそ、性交歴がない状態でワクチンを打つことが大事と聞いたんですが……

お医者さん
お医者さん

はい、その通りです。
が、HPVには、様々な種類がありますから、今後セックスをすることによって、新たな種類のHPVを体内に取り入れる可能性はあります。

それに対する予防策として、ワクチンは効果的ですという意味です。

お医者さん
お医者さん

ちょっと極端な話になりますが、今後、なかみさんも夫さんも“夫婦関係以外では、絶対にセックスしない”ということであれば……理論上はワクチンを打つ必要はありません。
なぜなら、なかみさんのケースの場合、お互いが夫婦外の人間と関係を持たない限り、新たな種類のHPVに感染するリスクには晒されないからです

ここまで聞いて、「もしかして、今の自分にはワクチン要らないんじゃない?」という気持ちになってきました。

私も夫も「夫婦の外で性的関係を持つメリットが、そもそも分からない」という考え方を持っています。

さらに今回、その考え方の上に「どちらかの不貞によって、女性は一方的に子宮頚がんのリスクを負う」というデメリットが乗っかったので、私は「夫以外とするのは、文字通り、命取りなんだ」という認識に変わりました。

ママ
なかみ

詳しくありがとうございます。
先生のお話を聞いていて、私たちは夫婦以外でセックスをすることは無い……と想定して、対策をしていきたいのですが、何かいい方法はありますか?

 

お医者さん
お医者さん

大原則ですが、1〜2年に1度の子宮がん検診は、必ず受診してください。進行が早い上に、自覚症状の無いがんなので、子宮がん検診は必ず受けてください。
あとは、不正出血があったとか……少しでもおかしいな、と思うことがあれば、病院に来てください

ここで、先生は私にある提案をしてくれました。

お医者さん
お医者さん

もし、それでも心配ということであれば……なかみさん、HPV検査は受けられたことはありますか?

HPV検査とは?

がんになる可能性の高い、高リスク型のHPVを検出するための検査のこと。
つまり、現時点で「自分の体内に子宮がんのリスクを抱えていないか」を調べることができる検査です。

私が診てもらっている病院では、自費ですが、6,000円ほどでお願いできるとの事だったので、その場で子宮頸がん検診と合わせて一緒にお願いすることにしました!

どちらの検査も、内診台に座って、膣の中に綿棒のようなブツを入れて、子宮頸部の細胞を擦り取るだけで(私は痛いともなんとも思いませんでしたが、それは出産経験者だからなのかもしれません……)、ものの1分ほど、あっという間に終了しました!

結果が分かるのは、2週間後。
この日は検査結果が分かるということは無いため、次の診察の予約を取り、お会計を済ませ、娘をお迎えに行き、まっすぐ帰ったのでした。

2週間後、検査結果を受け取った

病院から帰ってきてすぐに、夫に先生からの説明を共有しつつ「今回はワクチンを打たなくていいと私は判断しているけど、それはパートナーの協力があってこそ」と自分の考え方を伝えました。

とはいえ、人生って何が起きるか分からない……という不確実性も、お互い承知しているので、万一今後、夫婦関係の外で関係を持ちたい場合は「相手にHPVテストを行ってもらい、相手の陰性が確認できてからにする」「相手が陽性の場合は、私にワクチンを打つようにお願いしてから」と、約束をしました。

2週間後、予約した通りに、検査結果を受け取りに行きました。結果は「陰性」であり、ハイリスク型のHPVは、現在私の中に居ないということが分かりました。

お医者さん
お医者さん

これで安心していい、という類のものではありません。この結果と、年1回の子宮がん検診とセットで、安心できる材料なので。

これからも定期検診は来てください。必ず。

お願いしますね

その女医さんからの念押しを受け取り、私は診察室を後にしました。

ちょっとホッとしたような気持ちでしたが、今回はご時世のこともあり色々と考えさせられたので、こうして記事にまとめてみました。

お母さん業をやっていると、どうしても「自分の健康は後回し」になりがちで、忙しい日々です。でも、お母さん自身の健康が、家族を笑顔にすること、子宮頸がんのない社会を作っていくことに繋がっていくんだと、今回の一件を通して学ぶことができました。

お読みのあなたが、子宮頚がんに対してアクションを起こすことにつながればいいなぁと願って、この記事を終えたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

なかみ

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