こんにちは!なかみです。
早いもので、娘も一歳になりました!
この頃になると、子育て支援センターに来る同年代の子らがポツリポツリと、発語デビューをし始めています。
娘と同じくらいのお誕生日の子が、犬を指さして「わんわん」なんてハッキリ言っていたりして、「えー!?一歳って、もうそんな風にお話しできる年齢なの!!?」という驚きと
あれ?うちの娘は「マァ!(ママ的な意味で)」と「パァ(パパ的な意味で)」とはいうけど、いまいち意味わかって言ってないっぽいぞ……??大丈夫なのか……?私の気にしすぎ?!
という、大きな焦り!!!!!!
私が気にし過ぎだと、頭ではわかっているのですが、
もしかして、私の言葉かけが少ないから、まだ言葉が出ていないのかな?たしかに部屋に2人でいると、無言になる時あるし……ていうか何話していいか分からない時あるし……
と、心配モードにぐるぐる突入してしまったので、本を読んで「赤ちゃんと何をどう話せばいいのか問題」へのヒントを探してみました。
「3000万語の格差」を読んでみた
「3000万語の格差」は、人工内耳の移植手術をしていた、サスキンド博士というお医者さんが書いた本です。
どうして手術をして音が聞こえるようになっているのに、言葉を話せるようにならない子どもがいるんだろう?
ということに疑問を持ち、研究を開始されたそうです。
そして、先行研究から「家庭によって、3歳までに3000万語の言語格差がある」という知見にたどり着きます。
3000万語って!すごい数ですよね
今、サスキンド博士は、3歳までの家庭を対象として、言語格差を埋めるための「3000万語イニシアティブ」というプログラムを開発・推進しているそうです。
臨床から研究、社会活動と、幅広い面から「子どもの言葉の習得」を見つめてきた筆者が、研究から解ったことを一冊にまとめています。
そのため、かなりボリューミーですが、
「大人からの言葉かけは、子どもの頭を良くします」
という結論を、さまざまな研究結果や、時に自らのエピソードから紹介しているため、分厚くなっています。
・子どもは生まれながらにして頭がいいわけではなく、保護者やケアをする大人の話し言葉によって、子どもの頭がよくなっていく
・親が話しかける言葉が多く、語彙が豊かであるほど、言葉の習得とIQに良い影響を与える。
・親同士があまり話さない家庭では、子供もあまり話さない。
などなど、親としては「おそらくそうなんだろうな〜」となんとなく思っていたことが、研究結果としてハッキリ紹介されています。
ここまでは、正直な感想としては「やっぱりそうなんや!そらそうやんな」という感じ。でも、これらを学術的に「証明」するのには、大変な労力が要るので、ボリューミーになるのは仕方ない…
「3つのT」による声かけが、参考になる!
「では、実際にどう言葉かけすればいいのか?」が、親としては気になるポイントですが、本書ではしっかりその問いに応えてくれています!
3000万語イニシアティブの活動では、「3つのT」を意識して、大人から子どもに声かけを図っているそうです。
どれも意識次第で、すぐに実践できそうなものばかりなので、皆さんもぜひ、参考にしてみてくださいね!
Tune in(チューンイン)
子どもがしようとしていること、子どもがやりたがっていることを、大人がよく見て、推測しよう!ということ。
赤ちゃんが両手に積み木を持って、積み木同士を打ち鳴らしている時に、「カンカン」と、子どもの気持ちや行為に言葉をつけることが、まさに「チューンイン」にあたります。
ついついこういう時に
積み木はね、積むんだよ。積んだらどう?
と言いがちですが、子どもは自身は、環境に注意を向けて、知性を育てている最中なんだそう!親が別の提案をすることで、その注意の糸が切れてしまい、知性の成長も途中で止まってしまうのだといいます。
うわ、これはやってたかも〜!改めよう!
子どもの興味関心をしっかり観察すること、そしてそれに寄り添った声かけをすることが「Tune in」です。
Talk more(トークモア)
たくさん話そう!ということ。
これは文字通り、そのままの意味ですね!
たくさん大人からあたたかい言葉を受け取ることで、子どもは「自分は愛される存在であり、自分を取り巻く環境は信頼できる」と理解できるそう。
そのため、生まれたばかりの赤ちゃんは、あまり言葉がわかっていなさそうだけど、新生児期からトークモアに取り組むことをオススメしていました!
トークモアのコツとして「ナレーションと実況中継」というテクニックも紹介されていました!これもすぐに実践できそうです。
親がしていることを言葉にすること
「おむつを変えますね!」
「新しいオムツを取ってきました」
「おむつが濡れてても乾いていてもあなたが大好きよ!」
などなど…自分の行動を「映画のナレーションのように」話すのがコツ
子どもがしていることを言葉にすること
「私の財布を持っているんだね」
「財布、とっても重たいねー」
「中に何が入ってるかな?みてみる?」
などなど、子どもの行動を「実況中継の解説」のように言葉にするのがコツ
日中2人きりで話していると、どうしても何話していいかわからなくなる瞬間があるけど、そういう時は、ナレーションか実況中継するようにしようっと!
また、これは子どもが話し始めてからのテクニックですが「ふくらませて、伸ばして、足場を作る」という考え方も参考になりました。
例えば、「だっこ!!だっこ!!」と子どもに言われたら「〇〇ちゃんは、ママに抱っこしてもらいたいんだね」と、子どもの言葉を補って、膨らませてあげる……ということです。
子どもが言っている内容を、理解し、穴埋めして、言い直すことで、たしかにトークモアができますね!
Take turn(テイクターン)
子どもとやりとりをして、子ども自身が言葉で表現することをうながそう!ということ。
「はい」か「いいえ」で答えられるような「クローズドクエスチョン」は、子どもにとっては、既に知っている単語を思い出すよう促しているだけだといいます。
しかし「どうする?」「なぜ?」のようなオープンクエスチョンは、子どもはたくさんの単語を使って考え、自分のアイディアで応えようとするため、言葉が広がるのだそう!
もう一つのT「Turn off(ターンオフ)」
上記の3つに加えて紹介されていた考え方です。
テレビやスマホに引きつけられている受身の時間を減らして、子どもと外に出て、公園で体を動かしたり、いろんな人と会う時間を増やそう!ということです。
子どもが、ものや人と関わりを持ち、大人がそれに言葉をつけることで、脳は育っていくのだそう。
テレビやスマホはturn offして(電源を切って)、子どもとどんどん外に出よう!「今日も私は外に出かけて、赤ちゃんの脳のつながりをたくさん作った」と感じるようにしよう!
……と書いてあるのですが、本が書かれた時代とは変わって、今はコロナ禍なので、それもなかなか難しいですよね……。
私は京都市に住んでいるのですが、下京区にある「オトナリラボ」という託児コワーキングスペースを利用して、目新しいおもちゃや、私以外の大人(保育の先生たち)と接する機会を持つようにしています!
一枠に一組というような形で、都度入れ替え制にしてくださっているので、他のご家族との接点も最小限に抑えられます。検温、消毒も徹底してくださっているので、私は安心して利用できています。
京都市にお住まいの方は、ぜひ尋ねてみてくださいね!
オトナリラボの他にも、立誠小学校の人工芝や、御所や鴨川……人が多い時間を避けて、自然の中にもよく出かけています。
ルカコブログでも、また紹介したいです♪
Tを意識した声かけ、トライ中!
ここまでお読みいただいて「実際読んでみたくなった!」という方がいらしたら……読む前に一つだけ「裏ワザ」を紹介します!
本書は洋書を和訳した本なので、やはり「すごくいいこと書いているけど、ちょっと長くて、忙しい育児・仕事の合間に読むのは大変だなぁ」という印象は否めません……
が!そんな方は是非、巻末の、高山静子先生による解説だけでも読んでみてください!とんでもなく分かりやすく、コンパクトにまとまっています!
時間のない方はぜひ、239ページから読んでみてほしいです!本書の要約・概要は把握できると思います。(現に、私もそういう読み方をしました笑)
私もこの本を読んだばかりなので、「T」を意識した声かけを始めたばかりです。それでも、前よりも「何喋ったらいいかな」と悩む時間が減ったことを実感できています!
私と同じように、子どもと何を喋ったらいいのか迷っている方がいらしたら、「3つのT、もう一つのT」試してみてくださいね!